2024/02/2

『水の駅』(作:太田省吾)

『水の駅』は、1981年、演出家・劇作家の太田省吾が率いた転形劇場で初演された。登場人物たちはセリフを一切用いず、極端に遅い歩みで当退場する沈黙劇三部作の一作目。蛇口から一筋の水がしたたり続けているところへ、無言の人間が立ち寄っては、さまざまな姿態を見せる。転形劇場版は、どこか引揚者や難民を思わせる登場人物が、沈黙の中に人の根源的な生への欲求を印象づけ、国際的にも高く評価されていた。本作は、青年団の俳優、堀夏子の構成・演出によるもの。ゆっくりとした歩みや沈黙は太田演出を踏襲しているものの、水はアトリエ春風舎の天井から、床の切穴の下の用水路へと、数メートルの一筋の滝のように落ち続けており、登場人物も8名に集約し表現された。「逃れられない生から死への歩み」にフォーカスし、過去と2020年11月現在を表した新たなストーリーを繰り出している。 堀企画  青年団所属の俳優、堀夏子が自主企画を行う際の名称。2019年10月から始動。「死」と「不在」をテーマに、構成・演出を手がけている。『水の駅』は堀企画の2作目。

2020
アトリエ春風舎

製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:EPAD実行委員会(https://epad.terrada.co.jp/)

<公演情報>
脚本:太田省吾
構成・演出:堀夏子(青年団)
出演者:近藤強(青年団)、藤谷みき(青年団)、木村巴秋(青年団)、黒澤多生(青年団)、北村美岬、瀧澤綾音、中條玲
音楽・演奏:佐々木すーじん
照明:小駒豪
照明操作:髙野友靖
舞台監督:海津忠(青年団)
衣装・小道具・舞台美術:堀夏子
宣伝美術:堀夏子
映像撮影・編集:堀夏子
制作:太田久美子(青年団)
企画・製作:堀企画
主催:堀企画
協力:太田美津子、高野達也、青年団

<広報文>
米屋尚子(日本語)