『Peeping Garden /re:creation』
この作品はコロナ禍で創作され「これぞソーシャル・ディスタンス・パフォーマンス!」と世界中で報じられた。特徴的なのは、舞台美術と一体化した「客席」である。三方を壁で囲われ、壁に空けられた穴から中をのぞき見るのだ。通常の舞台芸術でも、観客は暗い客席から一方的に明るい舞台を見ているわけで、いわば「のぞき」とは舞台芸術の本質なのである。
カンパニーを主宰する浅井信好は多彩な顔を持っている。ヒップホップ出身で舞踏の山海塾の元舞踏手、現在は名古屋で「黄金4422」というダンスハウスの芸術監督でもある。
出演は浅井と、浅井の元で学んだ杉浦ゆら(撮影時は高校生)、パリで活躍する奥野衆英の三人。白い砂が敷き詰められており、奥野が埋もれている。みずみずしく生命力に溢れて踊る杉浦と対置するように、たくましい浅井が次第に朽ちて「死」をもたらし、狭い空間に「世界」の陰影を与える。やがて奥野は、竜安寺の石庭のように砂を使って波紋を生み出し、静かに「再生」をもたらすのである。
2021
ソーシャルディスタンス円形劇場(横浜赤レンガ倉庫1号館ホール)
製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:EPAD実行委員会(https://epad.terrada.co.jp/)
<公演情報>
演出・振付:浅井信好
出演:浅井信好、杉浦ゆら、奥野衆英
美術:浅井信好
音楽:川崎正貴
舞台監督:川口眞人
照明:福井孝子
音響:伊藤隆文
ソーシャルディスタンス円形劇場デザイン:月灯りの移動劇場、STORE IN FACTORY
ソーシャルディスタンス円形劇場設計:市川和樹、河西進、大見果
プロデューサー:浅井信好
プロダクションマネージャー:杉浦亜希
制作:鈴木弥生、加藤愛
撮影:佐藤良祐、田中博之、津田宏樹
編集:佐藤良祐
協力:ダンスハウス黄金4422、リンナイ株式会社
共催:横浜アーツフェスティバル実行委員会、横浜赤レンガ倉庫1号館、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団
主催:月灯りの移動劇場
<オンライン字幕>
簡体字字幕翻訳:劉五月
繁体字字幕翻訳:新田幸生
英語字幕翻訳:デイビッド・マクマーン
フランス語字幕翻訳:アミラ・ゼグルール
ロシア語字幕翻訳:エカテリーナ・タラソヴァ
スペイン語字幕翻訳:ホセ・アントニオ・アンブリス
<広報文>
乗越たかお