『Echoes of Calling』
北村明子はアジア各地を深くリサーチする「Cross Transit project」を展開してきたが、本作は「日本とアイルランド〜中央アジアへと発展していく長期国際共同制作」である。
北村を含めた7人のダンサーの動きは、高度な制動と繊細な表現、そして刃物のような鋭利さに満ちている。人が営む生活の身振りにはその土地の文化が織り込まれているが、それらをダンスに取り込むことで観客の記憶に働きかけてくるようである。
ゲストの二人が歌う「シャン・ノース(Sean Nós:「古いスタイル」という意味)」は曲よりも言葉のリズムが優先される、アイルランドの古歌唱法である。歌詞の最後に日本の神の名「アメノウズメ」が出てくる。元の歌がアイルランドの神々の名前を連ねていく歌なので、アメノウズメ(天地創造や芸能の神でもある)も登場させたという。
ともに島国で古い文化が今も息づく日本とアイルランドのアーティストが、時間と距離を超えて心を通わせる舞台なのである。
2021
オンライン上演
製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:EPAD実行委員会(https://epad.terrada.co.jp/)
<公演情報>
演出・振付:北村明子
出演者:香取直登(コンドルズ)、川合ロン、西山友貴、岡村樹、永井直也、近藤彩香、北村明子(以上ダンサー)、ドミニク・マッキャル−・ヴェリージェ、ダイアン・キャノン(以上歌手)
舞台監督:川口眞人(レイヨンヴェール)
音楽:横山裕章(agehasprings)
美術・映像:奥秀太郎
照明:岩品武顕
音響:田中裕一(サウンドウェッジ)
衣装:さとうみち代
映像技術:福地健太郎
制作:福岡聡(カタリスト)
企画・製作:北村明子
主催:一般社団法人オフィスアルブ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、令和2年度港区文化芸術活動サポート事業助成、公益財団法人関西・大阪21世紀協会、EU・ジャパンフェスト日本委員会
ドラマトゥルク:シェーマス・スキャンロン、荒谷大輔
演出助手:中山佐代
通訳:福岡里砂、加賀田フェレナ
宣伝美術:柳沼博雅(GOAT)
後援:アイルランド大使館
会場協力:株式会社ワコールアートセンター
<広報文>
乗越たかお