2021/12/20

『JUDAS, CHRIST WITH SOY ~太宰治「駈込み訴え」より~』

役者・ダンサーの森山未來と、イスラエル人のエラ・ホチルドは、時期は違うがともにインバル・ピントのカンパニーで活躍していた経歴を持っている。
この作品は、日本を代表する作家太宰治の小説『駈込み訴え』を原作としている。これはイスカリオテのユダがイエスを裏切って祭司長へ訴えを起こす際の独白という形を取っている。初めは悪口だが、次第に自分の愛に応えてくれぬイエスへの愛憎が綯(な)い交ぜになって暴走していく。こういうテーマの作品にユダヤ人のホチルドが出演するのも挑戦的だ。
森山はセリフも使うが明確に役割があるわけではない。舞台上にはイエスの血であるワイン、処刑台のような階段のついた高台がある。
ホチルドは森山に寄り添い戯れるが、やがて手を振りほどいて自由に踊る。イエスを愛しながら憎み続け、制御不能になったユダの心のようである。しかしその両者がピタリと互いの手を合わせ、まっすぐ正面を見つめる。自らが引き起こした「結末」が目に浮かぶようである。

2017
横浜赤レンガ倉庫1号館

製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:EPAD実行委員会(https://epad.terrada.co.jp/)

<公演情報>
企画・共同制作・出演:森山未來
演出・美術・振付・出演:エラ・ホチルド
音楽・演奏:蓮沼執太
美術協力:ゾハ・ショエフ、山本勝美
衣装:インバル・ベン・ザケ、露口亜美、惠美尚子
照明デザイン:吉枝康幸
音響:中原楽
舞台監督:足立充章、吉村彩香
照明操作:渥美友宏
舞台監督助手・制作助手:小野塚央
舞台協力:株式会社スマイルステージ
記録映像・写真:Matron
主催・制作:横浜赤レンガ倉庫1号館 [公益財団法人横浜市芸術文化振興財団]
提携:株式会社ワコールアートセンター
後援:イスラエル大使館、横浜市文化観光局/横浜アーツフェスティバル実行委員会
助成:Mifal HaPayis

<オンライン字幕>
簡体字字幕翻訳:劉五月
繁体字字幕翻訳:新田幸生
英語字幕翻訳:今井一咲子
フランス語字幕翻訳:メリル・ デヴォー
ロシア語字幕翻訳:タラソヴァ・エカテリーナ
スペイン語字幕翻訳:ダビ・タランコ

<広報文>
乗越たかお

配信終了日:2022年12月19日