黒潮プロジェクト 台湾─与那国─済州『そして魂と踊れ』『ユーラシアンオペラ Op.4 黒潮の子』
大陸各地で「ユーラシアンオペラ」を展開してきた音楽詩劇研究所(主宰・河崎純)と「ディアスポラ」をテーマに数々のシアターピースを手掛ける作曲家であるチョン・ウォンキ(韓国)による音楽詩劇の国際共同制作。
本作品は東アジアの島々の海洋文化に着目し、台湾原住民、与那国、済州に出自を持つ歌手、韓国や台湾の伝統楽器を含む室内楽、舞踊、美術、映像により織りなされる。
●『そして魂と踊れ』(作:チョン・ウォンキ)は、戦争が引き起こした“移住”に着目し、済州島の巫覡を基調に創作された。植民地時代と国家分断を経て安住の地を求めるも海上で死んだ人々のドキュメンタリーであり、生死と現在の境界に響く鎮魂歌でもある。
●『ユーラシアンオペラ Op.4 黒潮の子』(作:河崎純)は、従来の日韓台の文化交流において、共通して描かれることが少なかった視座で描かれる音楽劇だ。歌唱ソリストは、台湾原住民族を出自に持つエリ・リャオ、済州島の名優ムン・ソクポム。日本最西端の与那国島出身の映画監督・俳優の東盛あいか演じるShioの、終わらない漂流の旅。その途上で見聞する異聞には、文化の略奪、先住者と外来者の交流など、歴史に埋もれてきた伝承と、国家に翻弄された離散者の運命とが重なる。
本プロジェクトでは、知られざる音楽的文化や消滅危機にある言語が響き合い、歴史と海に沈んだ魂を浮上させる。そこから、排他性を強める現代社会にむけ、人々が共に生きる意味を投げかける。
本作は令和6年度国際交流基金舞台芸術国際共同制作事業として制作されました。
<公演情報>
【沖縄公演】2024年12月7日、8日
会場:てんぶす那覇 テンブスホール
【東京公演】2024年12月10日、11日
会場:日暮里サニーホール
第一部:「そして魂と踊れ」
演出・作曲:チョン・ウォンキ
第二部:ユーラシアンオペラ Op.4「黒潮の子」
演出・作曲:河崎純 脚本:河崎純、坪井聡志
出演:東盛あいか(俳優)、エリ・リャオ(歌手)、ムン・ソクポム(済州島民謡)、山田有浩(舞踏)、三浦宏予(ダンス)、亞弥(舞踏)、吉松章(舞・謡)、坪井聡志(歌)、上田惠利加(コーラス)
演奏:チャン・ジェヒョ(打楽器)、パク・スナ(伽耶琴)、リ・リーチン(中国笙)、小沢あき(ギター)、河崎純(コントラバス)、任炅娥(チェロ)、荒井康太(打楽器)、今本晶子(フルート/沖縄公演)、金野紗綾香(フルート/東京公演)
映像・美術監督:三行英登
舞台美術:鄭梨愛
映像:高山剛
主催:(一社)音楽詩劇研究所
共催:(独)国際交流基金
共同制作:(一社)音楽詩劇研究所 (独)国際交流基金
制作:(一社)音楽詩劇研究所 斎藤朋[(株)マルメロ]
映像製作:(独)国際交流基金、(一社)音楽詩劇研究所
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