2024/02/9

『花ト囮』

長谷川達也を中心としたDAZZLEは、ストリートダンス出身ながら物語性のある作品を多数発表している特筆すべき存在だ。彼らの群舞は、従来のダンス言語とは異なる発想から展開しており、幅広い層の観客を一気に引き込んでいく。この作品は彼らの代表作であり、テキストを使いながら兄弟の自己犠牲の物語が重厚に描かれる。シビウ国際演劇祭で上演された際には、最後のシーンが始まる前に観客が総立ちで拍手を送っていた。
本作では、障子や狐の面や和傘といった日本の伝統的なアイテムなど、日本人が愛してきた美意識を、深い理解の上で活かしている。
日本の文化は、伝統的に光と影の両方を愛する。とくに能でいう「幽玄」とは光と闇が溶け合い、人間とスピリチュアルな者達との世界の境が曖昧になる状態のことだ。
太陽が出ているのに雨が降ることを日本の民間伝承で「狐の嫁入り」というが、本作ではそこから新しい物語を案出し、傑出した物語を作った。

2014
東京国際フォーラム ホールC

製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:EPAD実行委員会(https://epad.terrada.co.jp/)

<公演情報>
演出:長谷川達也
脚本:飯塚浩一郎
振付・出演:DAZZLE
長谷川達也、宮川一彦、金田健宏、荒井信治、飯塚浩一郎、南雲篤史、渡邉勇樹、高田秀文、宮田祐也、三宅一輝、佐藤航、嘉門亮
舞台監督:伊藤英一
照明デザイン・オペレーター:矢鍋智子
音響プラン・エンジニア:武田敏弘
オーディオ・テクニシャン:小林智彦
ビデオ・プロジェクション・アドバイザー:佐々木創
衣装:藤木りせ
楽曲:Shusaku、林ゆうき
劇中映像:染谷優作、野村稔
マネジメント:前淵沙耶香
主催:キョードー東京

<オンライン字幕>
簡体字字幕翻訳:梅桂瑜
繁体字字幕翻訳:詹慕如
英語字幕翻訳:今井一咲子
フランス語字幕翻訳:メリル・ デヴォー
ロシア語字幕翻訳:インガ・イブラヒム
スペイン語字幕翻訳:ダビ・タランコ

<広報文>
乗越たかお