『種の起源(品川猿の告白)』
「品川猿の告白」は、スコットランドのグラスゴーを拠点として国際的な活動を続け、“英国で最もユニークな劇団のひとつ”(英ガーディアン誌)と評される劇団ヴァニシング・ポイントと、「ひらかれた」劇場を目指し、演劇・ミュージカル・ダンスなど多彩な舞台芸術作品を創造・発信しているKAAT神奈川芸術劇場との国際共同制作事業である。2021年から始まったディスカッション、横浜とグラスゴー両地で行われたワークショップを経て、日英の俳優・クリエイティブスタッフの協働により、公演は実現した。
村上春樹の短編小説「品川猿」「品川猿の告白」をもとにした本作は、人間の女性に恋し、思いを遂げるためにその名前を盗んでしまう猿をめぐる物語をベースとした、幻想的な<コミック・ミステリー>である。そこには、他者への強制、罪と救済、記憶、そしてアイデンティティといった多層的なテーマが内包されている。日英二ヶ国語が飛び交うダイアローグと独特な視覚的言語を用い、また空間造形の中に字幕を組み込むことで、多言語での上演による新たな表現が生み出された。
上演を収録した映像に加えて、演出家マシュー・レントン、日英の出演者やスタッフ、KAAT芸術監督長塚圭史のインタビュー、そしてクリエイションの光景を交え、ここに、エキサイティングな国際協働の成果が示されている。
製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF)(https://www.jpf.go.jp/)
本作は令和6年度国際交流基金舞台芸術国際共同制作事業として制作されました。
https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/perform/creation/2024/index.html
<公演情報>
原作:村上春樹(短編「品川猿」「品川猿の告白」より)
キャスト
那須凜、サンディ・グライアソン、伊達暁、エリシア・ダリ、田中佑弥、サム・ストップフォード、家納ジュンコ、アイシャ・グッドマン
エイリー・コーエン(人形遣い)
クリエィティブ・チーム
原案・構成・演出:マシュー・レントン
演出協力:サンディ・グライアソン
脚色:サンディ・グライアソン、マシュー・レントン
翻訳・ドラマトゥルク: 阿部のぞみ
美術:石原敬
照明: サイモン・ウィルキンソン
音響・編曲:マーク・メルヴィル
衣装:伊藤佐智子
ヘアメイクプランナー:赤松絵利(Esper.)
人形デザイン・製作:エイリー・コーエン
アソシエイト・アーティスト:ジョアンナ・ボウマン
通訳:時田曜子
舞台監督:岩谷ちなつ
ステージ・マネージャー:ジリアン・リチャーズ
テクニカル・マネージャー:ジョシュ・ブラウン
プロダクション・マネージャー:平井徹
舞台監督助手:横沢紅太郎、山田朋佳
照明チーフ:上山真輝
照明卓プログラマー:稲田桂
音響チーフ:星野大輔
音響操作:竹田雄、江口佳那
衣装進行:木下明美
ヘアメイク:上野美智代
字幕操作:永田景子
通訳:石井園子(照明)
制作:大友泉
KAAT神奈川芸術劇場
芸術監督:長塚圭史
事業部長:堀内真人
制作:鈴木収、金子紘子
ヴァニシング・ポイント
芸術監督:マシュー・レントン
エクゼクティブ・プロデューサー:セヴィン・ワイパー
管理プロデューサー:エレナー・スコット
プロダクション・マネージャー:ニール・ブラック
配信映像制作:西野正将
<オンライン字幕>
英語字幕翻訳:阿部のぞみ
日本語字幕翻訳:永田景子