2024/02/9

『コスモス』

本作は東京芸術劇場で映像作品を作って有料配信し、劇場公演は地方でのみ行われた。
木々や花が溢れる庭で男女が踊るロマンティックなデュオから、無機質な病室でのダンス等、「視聴者の視線を強制的に導く映像の強み」を活かしている(むろん映像にあることは基本的に舞台上でも行われている)。
山田は「2020年のオマージュ」が本作のサブテーマだといっているが、それはコロナ禍や、幻となった2020年東京オリンピック・パラリンピックも含んでいるだろう。
とくにラスト、13人全員で踊られる10分間ほどの群舞は圧巻だ。ヲノサトルの音楽は次第に明るく軽く希望に満ちた音になって広がっていく。
タイトルの『コスモス』は宇宙という意味もある。ダンサー達は宇宙に広がる無数の星雲のように、大小の渦を舞台上に描きながら祝祭的な高揚をもって加速していく。地上に生きる生命のうねりをダンスがつなぎ、人類が難局に立ち向かう底力を示す作品である。

2020
東京芸術劇場シアターイースト

製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:EPAD実行委員会(https://epad.terrada.co.jp/)

<公演情報>
振付・演出・美術 : 山田うん
舞台監督 : 原口佳子(モリブデン)
出演:飯森沙百合 / 川合ロン / 河内優太郎 / 黒田勇 / 田中朝子 / 西山友貴 / 仁田晶凱 / 長谷川暢 / 望月寛斗 / 山口将太朗 / 山崎眞結 / 山根海音 / 吉﨑裕哉
音楽 : ヲノサトル
映像監督・編集 : 前伊知郎
撮影 : Dana Stribling、松島幸太郎
照明 : 藤田雅彦(株式会社金沢舞台)
音響 : 江澤千香子
衣装 : 池田木綿子
衣装製作 : 神原秀佳、坂巻絢子、篠原縫製、和田由貴乃
ヘア : 天久真美(Twiggy.)、成澤雪江(Twiggy.)、長村玲奈(Twiggy.)、佐藤楽(Twiggy.)
メイク : 橋田尚実、鈴木
演出部 : 松岡大、湯山千景
美術製作 : 大津英輔(+鴉屋)
ガーデンデザイン : 塚田有一(有限会社温室)
植物協力 : 小島植物苑
宣伝美術 : 永野ヒロコ (ZAWAME)
制作 : 上原聴子
企画・製作・主催:Co.山田うん

<オンライン字幕>
簡体字字幕翻訳:呉珍珍
繁体字字幕翻訳:詹慕如
英語字幕翻訳:ゲーリー・パールマン
フランス語字幕翻訳:メリル・ デヴォー
ロシア語字幕翻訳:エカテリーナ・タラソヴァ
スペイン語字幕翻訳:カルラ・トレド・ベラルデ

<広報文>
乗越たかお