2024/02/9

『勧進帳』

立唄の杵屋巳津也(きねやみつや)、立三味線の今藤長龍郎(いまふじちょうたつろう)、囃子の堅田新十郎(かただしんじゅうろう)は今や長唄・囃子界でベテランとして演奏会、舞踊会、歌舞伎公演等、様々な舞台で活躍中、海外公演も多数行っている。本公演当時は次代を担うホープとして出演、若さ溢れる全力の演奏が魅力的な一曲となった。
長唄は十八世紀から江戸の歌舞伎で中心的な役割を担ってきた三味線音楽で、声と楽器の分業が特徴である。幕末になると、歌舞伎を離れた演奏スタイルが始まり、明治以降は演奏会という場も長唄鑑賞の大きな役割を果たしている。
「勧進帳」は、天保11年(1840年)に四代目杵屋六三郎が作曲し、江戸時代から現代に至るまで最もポピュラーで人気のある演目のひとつ。能の『安宅』が重要な構成要素になっている。終わりにある〈延年の舞の合方〉〈瀧流し〉と言われる合方は、初演にはなく、三世杵屋正治郎が後に加えるなど変化しながら伝承されている。

公益財団法人日本製鉄文化財団
日本製鉄文化財団は、紀尾井ホールを拠点に音楽分野(洋楽および邦楽)における音楽家の育成、演奏会等の開催、優れた音楽活動に対する支援を目的として1994年に設立されました。クラシックコンサートホール(紀尾井ホール800席)、日本の伝統音楽専用ホール(紀尾井小ホール250席)において、当財団はホール専属のオーケストラである紀尾井ホール室内管弦楽団の運営を始め、クラシック音楽、日本の伝統音楽公演の企画・制作等を行っています。これらを通じて我が国の音楽文化のさらなる発展に寄与することを目指しています。

2011
紀尾井小ホール

製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:EPAD実行委員会(https://epad.terrada.co.jp/)

<公演情報>
唄:杵屋巳津也
唄:東音味見純
唄:杵屋巳之助
唄:今藤龍之右
唄:日吉小八郎
三味線:今藤長龍郎
三味線:松永忠一郎
三味線:今藤政十郎
三味線:今藤龍市郎
三味線:稀音家一郎
小鼓:堅田新十郎
小鼓:堅田昌宏
小鼓:望月秀幸
大皷:梅屋右近
笛:鳳声晴久
主催:公益財団法人日本製鉄文化財団

<オンライン字幕>
簡体字字幕翻訳:林舒
繁体字字幕翻訳:詹慕如
英語字幕翻訳:上地呂敏
フランス語字幕翻訳:パトリック・ドゥヴォス
ロシア語字幕翻訳:インガ・イブラヒム
スペイン語字幕翻訳:ダビ・タランコ