2024/02/9

『粛々と運針』

iakuは、劇作家の横山拓也が大阪で立ち上げた演劇ユニット。横山は、小気味いい関西弁口語の作品を多く発表しており、登場人物たちの対話、議論、口喧嘩を通して、人が抱える普遍的な問題、それをめぐるドラマをユーモラスに浮かび上がらせる作劇で評価されている。

『粛々と運針』では、二組の家族の口論が交差する。ひと組は兄と弟で、ガンで余命僅かと告知された母から、尊厳死を希望すると言われたところだ。積極的治療を願う兄と、母の希望を尊重した方がよいという弟。もうひと組は、マイホームを手にいれたばかりの夫婦。子供は持たない約束だったが、妻は妊娠したかもしれないという。二組の家族の口論は、時におかしく、しかし切実さをもって繰り広げられていく。親の死にどう向き合うか、また、子供を持つか持たないかは、多くの人が直面する人生の選択で、しかも正解は決まっていない。題名にある「運針」とは、縫い物をする時の針の運び方。また、時計の針の動きのこともいう。舞台上では、二人の女性が、終始布を縫い続けている。時が刻まれ続ける中で、命の始まりと終わりに対して、さて、どんな結論に行きつくのだろう。

2017
インディペンデントシアター1st

製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:EPAD実行委員会(https://epad.terrada.co.jp/)

<公演情報>
作・演出:横山拓也
出演者:尾方宣久(MONO)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、伊藤えりこ(Aripe)、市原文太郎、佐藤幸子(mizhen)、橋爪未萠里 (劇団赤鬼)
舞台監督:新井和幸、北島康伸
照明:岡田潤之
音響:星野大輔(サウンドウィーズ)
ドラマトゥルク:上田一軒
宣伝美術・webxデザイン:下元浩人(EIGHTY ONE)
写真:堀川高志(kutowans studio)
宣伝:吉田プロモーション
制作:笠原希
企画・製作:iaku
助成:芸術文化振興基金

<オンライン字幕>
簡体字字幕翻訳:林舒
繁体字字幕翻訳:詹慕如
英語字幕翻訳:山縣美礼
フランス語字幕翻訳:エレオノール・マムディアン
ロシア語字幕翻訳:インガ・イブラヒム
スペイン語字幕翻訳:ホセ・アントニオ・アンブリス

<広報文>
米屋尚子

配信終了日:2027年2月8日